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7 日向
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〈影山にどうしたと聞かれた。
言っちゃいけない。こいつには
才能があって未来があるんだ。
迷惑かけちゃいけないんだ。
俺と違って、バレーをする価値がある。
俺はこんな手、飛べない足なんて
要らない。翼なんて無いんだ。〉
初めて知ったアイツの心の闇。
よく見るとゴミ箱に
つまれたテッシュの山は
ほんのり赤をひめていた。
机の奥の方には赤黒く錆び付いたカッター
今まで俺にいろんな
サインを出していたのに俺は
気づけなかった。俺が、俺が、
影「…日向を追い詰めた…!!」
二階の窓が開いていてそのそばには
メモがあり
『きてくれてありがとう。
サヨナラ。』
影「…クソッ!!」
俺は慌てて家から飛び出た。
アイツのことだ。学校に行くはずだ。
でも今は部活の時間。
体育館なんていけない。なら、屋上。
俺は今まで出したこともないスピードで
走り出した。
影「…グスッ。ズズッ。くっそぉぉー!」
今更気付くなんて俺は
お前が。
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