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一日の終わり
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本日二度目のお泊り。
結局、君とはキスを何度かした後にゲームをして、その後に俺がご飯を作って、二人でご飯を食べて……最終的に同じベッドで眠っている今に至る。
何故一緒のベッドで寝ているのか?
それは――
「セツ、昨日はベッドに二人座ったまま眠ってたから気づかなかったかもしれないけれど、俺の家、実は来客用の布団がないんだ。」
皿を洗う俺に、梅村君が告げた。
「え?」
洗い終わった食器類を拭いている梅村君。俺は急いで蛇口を捻って水を止める。そして、もう一度訊く。
「さっき、何て言った?」
すると君は頬を赤く染めて言う。
「来客用の布団がないんだ。」
「それって……。」
泡だらけの手を止めて君を見つめれば、目をそらされる。
「うん。」
一緒のベッドに寝るってことだよな? 幸い、梅村君のベッドは少しだけ横幅にゆとりがある。それにしてもだ、一緒のベッドに寝るなんて、そんなハードルの高いことを……いや、昨日一緒に寝たといえば寝たけれども、明らかに状況が違う。
俺は熱くなる顔をうつむかせて、蛇口を捻った。勢いよく出る水の音が、沈黙を消してくれる。
「セツ。」
「ん?」
「俺達付き合ってるんだし、いいよな?」
潤んだ瞳で俺を見られても……。俺は再び手が止まる。水の音だけがけたたましく鳴る。
「ダメ?」
上目遣いは、ずるいな。
俺は苦笑いをしてしまう。
「ダメじゃないし、付き合ってるけど、いきなり一緒に寝るのって、その、何だか……
照れるよな。」
ひたすら食器の方を眺めてそう言うと、くすりと笑う声が聞こえる。
「そうなんだ。大丈夫だよ、俺も照れてるから。」
チラリと君を見れば、嬉しそうな顔をしている。
「お互い様だな。」
洗い終わった食器を渡せば、笑顔で受け取ってくれる。
二人で笑い合いながら、作業をすれば、あっという間に使い終わった食器たちが綺麗に片付いた。
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