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根本的な何か
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さっきまで熱かった紅茶がいい具合にぬるくなってく来た。俺はいい頃合かと思い、口を開く。
「透。」
君の名前を呼べば、未だに毛布に包まっている姿のまま隣に座る俺の方を向いた。
「何?」
「あのさ。」
「ん?」
言葉に詰まっている俺を優しく諭すような目で見つめてくる君。
「昨日の夜と今日の朝のことだけど……」
「ああ……」
どうしよう。お互いに無言になってしまった。あるのは気まずい空気だけ。
「どうして、あんなことしたの?」
沈黙に耐え切れなくなった俺は、真っ先に君へと問う。君は、キョトンとした顔でいる。
「どうしてって言われても。」
君の頭の上に浮かぶクエスチョンマーク。
「俺はさ、違うと思うんだよね。」
「何が?」
「なんかこう、透が勝手にせ、セックスするってのが、ちょっと……」
恥ずかしくてモゴモゴしてしまう俺に、さらに疑問を浮かべる君。
「セツは自分からしたい方なの?」
「う、い、いや、そうじゃなくて!」
「耳真っ赤だよ。」
真っ赤にさせているのは君だ。
俺はため息をついた。
「俺、初めてなんだよ。付き合ったのも君が初めてだし、昨日のせ、せ「セックス?」うん、それも初めてだった。」
「そうか。じゃ、次はもっとゆっくりやるね。」
いや、満面の笑みでそう言われても、困るんだけどな。
「そうじゃないんだよ、透。」
「じゃ、何?」
「もっとこう、セックスって感情が入ってるものだと思うんだよね。」
「感情?」
何を言っているんだ、俺は。冷静に考えれば、今俺はとんでもなく恥ずかしいことを語ってはいないか?
「セツ? どうした?」
「なんでもないっ、けどなんでもよくない!」
「え?」
「透、もうあんなことしないで。」
「どうして? 恋人なのに?」
「恋人だからだよ。」
君は難しい問題を解くみたいに、険しい顔をしている。そんなに難しいことは言っていないはずなんだけれど。
「セツは、気持ちよくなかったの?」
「じゃ、君は気持ちよかったの?」
「セツが気持ちいいなら気持いいし、嬉しい。」
にこやかに微笑む君の顔を見て、俺は不覚にもときめいてしまった。
ダメ!ダメだダメだ!違うんだよ!
「その考えが違うんだよ、透。」
俺は、君の頭をそっと撫でる。気持ちよさそうに目を細める姿を見て、俺は癒された。
「俺はね、そんなんじゃ嬉しくないんだよ。」
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