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僕のことー1<sideマキ>
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「ね、五十嵐くんは昨日のテレビ見た?」
「え?」
登校して早々、クラスメートの女の子に声をかけられる。
見た目が女の子に近いせいか、こうやってよく話しかけてくれる。
いつものことだった。
「なんのテレビ?」
「結構夜の番組だったんだけど…」
「あ、それってなんかホモってやつの特集?」
「あ、それそれ!」
と、仲のいい女の子たちが集まってくる。
どうして僕に話を振ってきたんだろう?
「それ見たら、気持ち悪って思っちゃって」
「男同士って変だよね!なんで男同士が好きあうのかな?」
「本当に!わかんないよね〜」
「私もそれ見た!気持ち悪かったぁ」
僕の席に女の子たちが群がってくる。
ホモって確か、前の学校で…。
ーーーあぁ、やめよう。
思い出してしまう。
「でね、それ見てね。五十嵐くんって可愛いから男の子から告白とかされなかったのかな?って」
「確かに可愛いもんね!」
「いや、僕は…」
「前の学校とかで無かったの?」
前の学校。
聞くのさえ辛くて、僕は自分から話さないようにしていたのに。
「なかったよ。そんなのあったら気持ち悪いでしょう?」
にっこり、微笑んで言う。
“気持ち悪い”。
まるで自分で言って自分を傷つけているようーーーううん、傷つけているんだ。
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