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血は涙よりも哀しい [3]
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「さっむいねー」
「さっきから寒い以外何も言ってねーな」
「だって寒いんだもん!」
部活が終わって家が近い俺達は一緒に帰っていた
「もうそろそろ市長杯近いから練習ハードにしていくからな」
俺は一応、部長だから今後の予定も考えつつ
來乱に伝えておく
「えぇ~僕、運動苦手なのに....まあ、
大会は好きだからいいけど」
來乱は文句を言いつつも嬉しそうだ
俺はそんな來乱が好きだ
皆の前では明るく振る舞ってるのに
一人になったら声を殺して泣いてたり
小さい身体で全て背負い込んで
ニコニコしてるときの來乱も好きだけど、
そんな裏の姿の來乱も好きだ
別に男が好きなんじゃない
來乱が好きなんだ
でもそんなこと言える筈もなく、
いい友達を演じている
「拓哉?拓哉大丈夫?」
「うわっ あ、いや...別に....」
「拓哉がぼーっとするなんて珍しいね」
「そ、そうか?」
「うん だっていっつも皆に気を配ってて、
ある意味大変そうだけど」
そう言いながら來乱は足を少し引きずっていた
それに気付いた俺は
「そんなもんだろ?部長なんだし
むしろお前の方は大丈夫なのか?」
と來乱に聞いてみた が、返ってきた言葉が
「えっ?何が?」
という言葉だったので來乱が心配になってきた
「お前、足、怪我してただろうが」
「あ、うん大丈夫だよ 部活しても問題ないって
言われたし」
「そうなのか?ならいいけど」
俺には來乱が無理しているように見え不安になった
「もう細道着いちゃった バイバイ また明日」
「おう じゃあな」
そう言っていつも通り細道を使って帰る筈だった....
だけど今日はちょっと違っていた
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