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血は涙よりも哀しい [7]
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「な、何言い出すんだよ お前...」
「気持ち悪いって思ったら...ごめん...でも、
好きなんだ 拓哉のこと...友情じゃなくて...
恋愛、の方だから...」
今やっと両思いになれた...
こんなときに不謹慎だけど、嬉しい
「來乱...」「何?」
「俺も、來乱のこと好きだ 大好きだ
俺だって恋愛感情だ お前には生きててほしいし、
ずっと隣で笑っててほしい...だから
今は自分の事だけ心配しててくれ...」
「拓哉...大好き...拓哉みたいになりたくて...
ずっと頑張って来たのに...やっぱり最後は
敵わないんだね...」
「さ、最後?」
意味のわからない言葉を言われ、俺は混乱した
「拓哉と出会えてよかったよ...ありがとう...」
來乱はそう言いながらゆっくり体を起こして
俺の前に座った 右手を俺の頬につけ、
顔を近づけてくる その間、俺は
固まったように動けなかった
そして來乱は俺の唇に触れるだけのキスをすると
力尽きたように俺の体に寄りかかってきた
俺の耳にはとなりにあるはずの來乱の口から
呼吸音が聞こえてこない...まさか...
「うそ...だろ...なあ來乱?おい起きろよ
俺みたいなやつになりたいって言ってただろ...
大会だって...俺と一緒に出られるって
喜んでたじゃんか...お前が居ないと...
來乱が居ないと...俺...ッ...うぁあああッ...
く、ら ん...お願いだからっ...目を開けてくれよ
...俺の隣でいつもみたいに笑ってくれよ...
さっき怪我なおったって...言ってくれただろ...
ずっと大会出られなくてふてくされてたの...
俺、知ってんだからな...
そんなヤツが...死ぬわけねーだろ...
來乱...
來乱ー!!!!」
一言言ってしまうと堰を切ったかのように
言葉が止まらない
俺の涙は來乱を抱きしめていてぬぐうことはできず
來乱の肩に落ちては服に染み込んでいった
そのとき、サイレン音が聞こえ、急に目の前が
明るくなった 救急車が来てくれたのだろう...
しかし もう、遅かった...
來乱は...既に...
俺も刺された場所が動脈に近かったのか
それとも深く刺されたのか
血は涙よりも止まらず、道路に流れている
気付くと俺は目を閉じ、深い眠りについていた
しっかりと來乱を抱きしめて...
Bad End? or Happy End?
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