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勇者パロ 始まりの村の案内人
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岩泉side
「イワイズミさんいってきまーす!」
「あぁ!いってこい!」
少し不安の残る勇者達だったけど、きっとあの性格なら大丈夫だろう。
「今回もおつかれ。イワイズミ」
「あぁ、スガワラ。見てたのか?」
「当たり前だろ?毎回勇者が来るときは通りかかる振りして見てるからな」
こういう時に俺の立場は便利だな!
そう言いながら自慢げに笑うスガワラを見るのは恒例行事になっている。
スガワラは俺と同じ村人だ。
ただ俺と違うのは案内人ではなく、ただ通りかかる村人という村人Bという立場だということだ。
その立場を利用してよく俺が説明している間に勇者達を見に来るのだ。
「今度の勇者達はどうだろうな」
「さぁな。俺はクソ大魔王を倒してくれると信じてるけどな」
「相変わらず大魔王には手厳しいな」
「そうか?」
そうだよ。とスガワラと会話していると村の鐘が鳴った。
「お、もうこんな時間か、じゃあ俺は門の方に戻るな」
「おう!またな!」
「またな」
スガワラと別れ、村の入口である門に戻る。
上を見上げれば青い空が広がっている。
始まりの村はいつも青空だ。
(設定された青空でも、この空は…好きだな…)
と、勇者を送り出した日にはいつも思う。
「イワちゃーん!グハッ!」
「オイカワァ?もう来るなって言ってあったよなぁ?」
「だってイワちゃんに会いたかったんだもん!」
「もんて言うな気持ちわりぃ」
「ひどい!」
恐らくこれも空を見上げるのが習慣になっている原因の1つだろう。
「で、今度はなんだよ」
「イワちゃんに会いたくt「帰れ」ひどい!」
大魔王(オイカワ)は時々こうして俺に会いに来る
大体はくだらない理由なのだが、時々真面目に悩んでいる時があるのが面倒くさい。
イワちゃんに会いたかったのは本当なのにーとぼやいているオイカワに拳を構えるとオイカワを手をあげて降参のポーズをとった。
「多分、今回の勇者で俺は負けると思う」
それが初めてオイカワから聞いた弱音だった。
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