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勇者パロ 魔法使いの幼馴染み
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〈stage clear〉
「やったぁ!」
「うしっ!」
「…疲れた」
「ぐっ!」←喜んでガッツポーズをしてる
何度目かのstage clearの文字を横目に体力を使い果たしたケンマはその場に座り込んだ。
「あっ!ケンマ!大丈夫か!?」
「うん。ちょっと疲れちゃって…」
「あーそうだよな…俺たちの回復すごいしてくれたもんな!よし!今日はここで野宿しようぜ!」
「お前にしてはいい判断だな」
「なにおぅ?!」
「ブンッ!」
このステージに入る前に町で購入した保存食(干し肉)を食べる。
栄養は偏るがそれでも空腹には嬉しい品だ。
ケンマは少食なので早くに食べ終わり寝床を整えた。
「じゃあ…おやすみ…」
「「おやすみ!」」
「ブンッ!」
そしてケンマの数分後他のメンバーも寝息を立て始めた。
すると辺りに不穏な空気が漂い始めた。
ケンマはいち早くそれを感知し起き上がって辺りを見回す。
するといきなり視界が真っ暗になった。
「っ!」
誰かに抱きしめられたのだ。
しかし、その匂いには覚えがあった。
「クロ…邪魔」
「おいおい、久しぶりの再会なのにそれはないだろ?」
「煩くするとショウヨウたちが起きるから静かにして」
「相変わらず手厳しいなー、ケンマ」
そう。それは大魔王直属の部下であり、ケンマの幼馴染みでもあるクロだった。
一般的な家庭で育った彼だったが、頭に角が生えたのをきっかけに家を出たのだ。
そして、大魔王の部下になった。
「なぁケンマ。俺達のほうに来いよ」
「…何度も言ってるでしょ。俺は行かない。」
「俺を助けるために旅に出たんだろ?だったら一緒にいたほうがいいだろ?」
「…行かないよ。」
図星をつかれ、動揺してしまったが、表には出さずに乗り切る。
面倒くさがりのケンマが旅に出た理由はクロを助けるためだった。
クロの両親は角が生えたクロを受け入れてくれた。
今でも息子の帰りを待っている。
そんなクロの両親の気持ちを汲んで旅に出た。
だから、仲間になるわけにはいかないのだ。
「ちぇっ…やっぱりダメか。お前ならそう言うと思ったよ。…頑張れよ」
そう言うとケンマの額にキスを落とし、闇に紛れて姿を消した。
「敵を応援してどうするの…」
口ではそう言いながらも額からジワジワと押し寄せてくる熱に嘘はつけなかった。
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