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勇者パロ 後日談(クロとケンマの場合)
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「疲れた…」
ケンマは人混みから外れ、少し離れた位置に腰掛けた。
ここにいても賑やかな声が聞こえてくる。
何度もゲームを攻略してきたがどうしてもこのお祝いムードは慣れない。
(帰ろうかな…)
別に自分1人いなくても誰も気づかないだろう。
恐らくお祝いというのは建前でみんな騒ぎたいだけだ。
「帰ろ…」
そう言って立ち上が…ろうとした。
しかし背中に重みを感じて体勢を崩し、不格好な形でその場に座り直すことになってしまった。
「おいおい。主役が帰ったらダメだろ」
背中の重みの正体はクロだった。
「クロ重い。どいて。それと…俺が帰ってもショウヨウたちがいるから平気でしょ?」
「あのなぁ…こういうのはみんな揃ってるからいいんだろ?」
ケンマの性格を知っているクロはため息を落とす。
「…ならもう揃ってないから帰っていいよね」
「は?もう誰かいねーのか?」
ケンマの発言に驚くクロ。
「うん。イワイズミさんが、もういない」
「あー…」
イワイズミの名前を聞いてすべてを察したクロ。
するとニヤリと怪しげな笑みを浮かべ座っているケンマを横抱きにした。
言わばお姫さまだっこである。
「!クロ!」
「そういうことなら俺達も抜けるか!」
「クロ、降ろして」
お姫さまだっこが心底嫌なのか顔を顰めながらクロに言うケンマ。
しかし、クロがそんなケンマの反応を面白がらないはずもなく…
「ん?よし、じゃあ帰るか!」
「え、ちょ…」
ニヤニヤと笑いながら歩き出してしまった。
そんなクロを見てもうだめだと悟ったケンマはクロに身を預けた。
心地よい振動とクロの体温で眠気を誘われるケンマ。
眠る寸前にケンマは小声でクロに伝えた
「クロ…おかえり…好き…」
ピタッとその場で数秒フリーズするクロ。
「ケンマ!!?」
しかし当の本人は完全に夢の中。
「〜〜っ///くそー、後で覚えとけよぉ…」
顔を真っ赤にしながらクロは眠っているケンマにキスをした。
白魔法使いに翻弄される黒魔法使いの話
end
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