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お菓子 岩泉←及川←松川
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授業中、眠気を誘う教師の声に耐えるために黒板から窓の外へと視線を向ける。
すると及川のクラスがちょうど体育の授業でサッカーをやっていた。
少しだけキョロキョロと見回すとすぐに及川を見つけることができた。
いや、正確には岩泉にくっついている及川を発見したのだ。
あの2人の距離感は他人から見れば近すぎるくらいだろう。
しかし、お互いに受け入れている距離感だ。
(2人だけの、世界…)
俺はあの中には入れない
仮に岩泉がその世界を抜けても俺の入る余地なんてものは存在しないのだろう。
・・・・
なぜならそれはあの2人が作った世界だから
岩泉が抜ければその世界はすぐに崩壊してしまう。
そうなれば及川はどうなってしまうだろうか
(あいつは、きっと…)
1人で壊れていくのだろう
誰にも悟らせず、静かに、もう治すことが出来ないくらいボロボロに
(そんな危なかっしい奴、ほっとけるかよ)
ましてや自分が好きになった相手だ。
「好きだ…」
美しく、優しいはずの言葉は醜く、俺の心に酷く、深い傷を負わせた。
(どうせならもっと、お菓子みたいに甘くて、優しい恋がしたかった)
今更そう願ってももう手遅れ。
それは1番自分が分かっていた。
「好きだ…及川…」
小さく呟いた『好き』も、やはり醜く、刺のあるものだった。
end?
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