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不老不死の赤葦の話 赤葦×月島
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赤葦京治は死ぬことができない。
所謂不老不死というやつだ。
しかし、不老不死ではあるが不死身ではない。
怪我をすれば痛みだってある。
ただ、どんなに大きな怪我をしようとも死ねないのである。
赤葦はそんな体で数えるのも嫌になるほどの年月を過ごしてきた。
それは同時に大切な人…愛していた人との別れを必ず迎えるという事である。
そして今日も………
「赤葦君…来てくれてありがとう…」
「いえ…」
目を真っ赤に泣き腫らした女性が赤葦に声をかける。
この人は亡くなった友人の母親だ。
大学に通い始めて初めての友人だった。
その彼が一昨日、亡くなったのだ。
まだ20歳だった。
この間みんなで誕生日を祝ったばかりだった。
そんな彼が一昨日、交通事故で呆気なく逝ってしまったのだ。
赤葦はまだ心の整理もできないまま、葬式に出席していた。
他の友人や親戚もそれは同じらしく、皆、魂が抜けたようだった。
赤葦は何度もこんな場面を経験してきた。
しかし、何度経験しようが慣れることはなかった。
ただただ悲しみだけが心の中に居座った。
”大切な人ほど…失う時の悲しみも大きい…”
そんなのもうとっくに分かっていた。
だから周りと距離を置いた時期もあった。
それでも人との関わりを完璧に断つことなどできず、大切な人が一人、また一人とこの世を去っていった。
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