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不老不死の赤葦の話 赤葦×月島
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友人の死をきっかけに赤葦は大学を辞め、一日一日をまるで屍のように過ごした。
(屍…か)
それは赤葦がもっとも求める姿だった。
己には決してなれない姿。
赤葦は酷く死に憧れた。
「死にたい…」
赤葦が小さく呟いたと同時に遠くのほうで高校生らしき集団がとても楽しそうに笑いあっているのが見えた。
(高校か…もう一度行ってもみてもいいかもしれない)
赤葦は約60年前に高校を卒業している。
当時の友人達はもうほとんど残っていない。
(3年間…短いけど俺には丁度いいかもな)
____________________
そこからの赤葦は早かった。
高校は一度出てはいるがそれは60年前の話だ。
流石にいろいろと変わっているだろう。
中学生の受験資料を買いあさり、勉強に励んだ。
何十年ぶりかに取り組んだ勉強は少々難解だったが、目標を見つけた赤葦はその難しさも楽しかった。
そして無事に高校に合格。
高校名は………梟谷学園
一度校門をくぐれば部活勧誘の嵐。
どこの部活も目が真剣すぎて少々恐ろしい。
そんな中にひときは大きな声で勧誘する部活があった。
「ヘイヘイヘーイ!!バレー部入ってくれー!!」
「ちょ、木兎うるさい!」
「このくらいやらないとみんな来てくれないだろ?あっ!君どう?バレーやらない?!」
いつの間にか人の波に流されてバレー部の勧誘スペースの前まで来ていた赤葦。
そこに、ヘイヘイヘーイという謎の掛け声をかけていた銀髪の…木兎(?)先輩という人が声をかけてきた。
(バレー…)
バレーは60年前に経験済みであるが、なんせ何十年ぶりのバレー。
それに加えてこの木兎という人への絶対的な不安感。
正直に言うと不安しかなかった。
(繋ぐスポーツ…バレーか。いいかもしれない)
「はい。入部します。よろしくおねがいします。」
俺がそう言えば木兎先輩は目をキラキラと輝かせまたあの変な掛け声と共に他の部員に自慢しにいっていた。
(なんでだろう…この先がものすごい不安だ…)
赤葦の不安の原因が分かるのはあと少し先である。
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