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不老不死の赤葦の話 赤葦×月島
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「僕、死ねないんです」
「え…」
歩道に入った途端に背を向けたまま呟かれた月島の言葉。
すぐには理解できず、2人の間には僅かな沈黙が生まれる。
その沈黙をどう受け取ったのか月島は振り向きながら自傷めいた笑みを浮かべた。
「気持ち悪いでしょう?僕は不老不死なんです。」
どうやら赤葦が自分の事を気持ち悪がっていると勘違いしたらしい。
「違う!!」
いきなり大声を出した赤葦に驚いた月島だったが、「無理、しなくていいです…」と泣きそうな声で告げた。
そんな月島の言葉に首を左右に振る赤葦。
そしてふわりと月島を抱きしめたかと思うと静かに語り出した。
「気持ち悪いわけない…俺も…死ねないから…」
すると今まで大人しかった月島がいきなり赤葦の腕の中から抜け出そうと暴れだした。
「だから!そんな同情なんていらないって言ってるんです!たかが数十年生きてきた奴にこの苦しみが分かるわけない!」
拒絶の言葉を叫びながる暴れる月島。
すると運悪く月島の爪が赤葦の頬を引っ掻いてしまった。
「あ…」
結構深く引っ掻いたのか爪痕から血が溢れてきてしまった。
「あ、あか、あしさん…僕…」
赤葦は自分の頬に触れ、ぬるりとした感覚を確かめると月島に視線を戻した。
月島に先程の拒絶の色は無く、そのかわりにその綺麗な瞳にうっすらと涙を浮かべていた。
「月島。大丈夫だから、見てて」
今にも泣き出しそうな月島に優しく声をかけ、自分の傷を月島が見えやすいように顔の向きを変える。
「…!」
月島の表情が見るみる間に変わっていく。
それに合わせて頬の痛みを無くなっていった。
「俺もね、死ねないんだ」
信じてくれる?と尋ねると月島は戸惑いながらもコクリと頷いた。
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