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雨 岩泉→←及川
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岩泉side
「なんでこいつがいる…?」
夕方になり、熱も大分下がった俺は目を覚まし、さっきの言葉を呟いた。
俺のベットの淵では夢に出てきたあいつがスヤスヤと眠っていて俺の手を握っている。
「ん…岩ちゃん、起きた?」
タイミングよく目を覚ました及川は繋いでいる方とは逆の手で俺の額に触れて熱を測る。
「あ、あぁ、もしかしてお前、看病してくれたのか?」
いきなり近くなった及川の顔に狼狽えつつも及川に尋ねると及川は自慢げに胸を張って頷いた。
「部活を早めに切り上げて来てみたら岩ちゃん魘されててほっぺに俺の手当てたら気持ちよさそうに擦り寄ってk」
「わぁぁぁぁぁぁ!!!」
夢だと思っていたあの及川は本物だった
ということはあの告白も聞かれてしまったということ。
「お、及川…俺の…こ、告白聞いて…」
動揺しているのが自分でも分かる。
そんな俺を見て及川は小さく笑った。
「うん。しっかり聞いちゃった」
「あ…ぁぁぁぁぁぁ…」
後悔とか羞恥心とか色々ぐちゃぐちゃになって俺の顔は真っ赤になった。
「ありがとう岩ちゃん。でもごめんね、俺は岩ちゃんの事…好きじゃないよ」
恥ずかしさで真っ赤だった俺の顔は及川の一言によってどんどん治まっていった。
「そう、だよな… 」
ヤバイ。泣きそうだ。
「泣かないで岩ちゃん。俺は岩ちゃんの事好きじゃない。…だって愛してるから」
「………へ」
掛け布団を見つめていた視線を及川に写せばそこには優しい微笑みを浮かべた及川。
「岩ちゃんは?俺のこと愛してない?」
(てめぇ絶対分かってるだろ!)
優しい微笑みを浮かべたまま俺の聞いてくる及川。
「あ……」
「あ?」
「愛してるって言ったんだよ!クソ川!」
「痛い!岩ちゃん病み上がりなんだからね!?」
「うるせぇクソ川!」
いつの間にかいつもの雰囲気に戻ってたが、及川が俺の手をずっと握っていた事がなによりの証拠だった。
end
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