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弱虫な心に終止符を 山口×月島
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月島side
「ごめん!待ってツッキー!」
ふわふわと揺れる君のアホ毛を眺めながら僕は目を細めた。
幼い頃から僕の後ろを着いてきた君はいつの間にか僕より前を歩いていた。
ゆっくり。でも確実に
前を向いて、歩いていた。
『そんなモンッ…プライド以外に何が要るんだ!!!』
そう言い放った時の君はもう弱虫な昔の君ではなかった。
そんな君を、…僕は好きになった。
『好き』『大好き』
この思いを伝えられたらどれだけよかっただろう。
でも僕には思いを伝えられるだけの勇気なんて持ち合わせていない。
(だって伝えたら…否定されたら全てが崩れてしまう)
今までの距離も関係も。
全てが壊れて、崩れて、跡形もなく消え去ってしまう。
そんな結果が目に見えた大きな賭けに乗れるわけがなかった。
『好きだよ』
君には聞こえない。
口パクで呟いた言葉は夏の夕焼けに吸い込まれていった。
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