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怖い
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「ありがとうございます!!」
そう言って中へ入って、体育館の隅で見学することにした。
さっきの部員の人が教えてくれたのだが、フットワーク、パス、
シュート、ゲームといった練習メニューのようだ。
今はパス練習に入っている。
僕はふとトイレに行きたくなり、実に伝え玄関に向かった。
トイレは体育館の玄関内にある。
用を済ませた灯は実のところへ戻ろうと入口に立つと
「ナイスパスー!ナイスシュート!」
実はまだ入部していないのに隅から声だしをしていた。
そんな実をみて、また高校3年間、実とバスケ三昧かなぁと想像して
しまい、思わず一人で静かに笑っていた。
「おい、通してくれないか。」
背後からの低い声に思わず勢いよく振り返ると、剣道部の人だった。
背も高くてカッコイイ顔していて思わず見とれたが、それも一瞬。
それ以上に不機嫌な表情と威圧感に圧倒され、
「す、すいません!!」と頭を下げ、すぐに通路をあけた。
目の前を通る男の顔を怖くて見上げることは出来なかったが、
手に持っていた布製の袋に〔條原〕と刺繍されていたのが目にはいった。通り過ぎていった背中を見て、ホッとしながら灯も実の所へ戻った。実が声だしを続けるのを横目に剣道部を見る。
「剣道部の條原さん」の存在は灯の中に強烈な印象を焼きつけていた。
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