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「あーもう!!!俺アイツ嫌い!何であんな事しといて許して貰えると思ってんの!?」
「まぁまぁ落ち着いてにーちゃん。お風呂入ってきていい?」
「宗弥は何か落ち着いてるし!いいよ!!!!」
怒り狂っているにーちゃんを横目にお風呂に向かう。僕は落ち着いていると言うより諦めが入っている感じの状態だった。
きっと何度も謝られたら許してしまうのだろう。けれどそれはダメだと分かっている、分かっていても勝手に口が動いてしまうんだ。こんな自分にため息が出る。
「だからと言ってもし謝られたとしても簡単には許せないけどね・・・」
何度も浮気されて何度も泣いたからかとても感覚が鈍ってしまっている気がする。別にいいや、そう思っている自分がどこかにいて少しの恐怖が生まれた。
一通り洗って湯船に浸かったのでお風呂から出てリビングに向かうとソファからにーちゃんが伺い見るようにチラッと僕を見た。
なんだ。
「にーちゃん次入りなよ。」
「うん・・・って、違くて!ごめんな宗弥、俺っ」
「ん、いいよ。心配してくれたんでしょ?嬉しい」
「っ!!!!」
そうやああああああああと叫びながら飛びついてくるにーちゃんを避けて床に倒れたにーちゃんの頭を撫でる。
「僕は大丈夫だよ。いっぱい泣いたらスッキリした」
「ん・・・それなら良かった!」
そう言って笑顔を見せたにーちゃんはそのままお風呂に行った。本当に弟思いのにーちゃんでとても幸せだよ僕は。
・・・忘れられたらどれだけ幸せなんだろうな、
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