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季節外れの転校生
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理事長「おぉ、入れ」
僕と二ノ宮君は理事長の前まで進む。
1人だけの部屋なのに、生徒会室より広い…
「座りなさい」と、理事長がソファを勧めて座ったすぐ後、二ノ宮君が口を開いた。
二ノ宮「理事長、お話とは?」
話が早いよ二ノ宮!
理事長「あぁ実は、今度うちに転校生が来る
事になってな」
「「転校生??」」
僕はまだ生徒会長になったばかりだけど、てゆか、初めて役員になったけど、こんな時期に転校生だなんて初めて聞いた。
理事長「これがその資料だ」
「「………」」
写真を見ると、その、、、2人とも絶句。
黒髪のもじゃもじゃとした、いかにもかつらですよってかんじのをかぶって、牛乳瓶の底みたいな分厚いメガネ。
前の学校の制服なんだろうけど、薄汚れている。
僕「でも案外、メガネとったらイケメンだっ
たりして…」
僕が言ったとこに二ノ宮君は怪訝そうな顔をして、理事長はガタッと音を立てて立ち上がった。
理事長「わ、わかるか!?」
え!?わかるか?なにが?
理事長「実はこの子は私の甥でな。
そりゃもう可愛いんだ!!
この学校じゃ絶対襲われる!だから
君たち生徒会と風紀委員に守って欲
しいんだ!」
いきなりマシンガントークになった理事長に僕と二ノ宮はしばらく放心。
ほぼ同時にハッと2人とも我に帰る。
ひとつ言いたい、大丈夫かこの理事長。
甥が可愛いってのはわかるけど、これだぞ?
二ノ宮「ですが理事長。これから生徒会も風
紀も仕事が増えて忙しくなります。
付きっ切り、というのは……
それに、親衛隊関係もありますし」
理事長「そこは何とかしろ」
なんとかしろって…………
自分勝手なんだよなぁ。
僕「わかりました、生徒会と風紀で協力して
やってみます。
しかし、すべての責任は取りかねますの
でそこはご了承ください。」
理事長「うむ、頼むぞ」
協力、って言った瞬間二ノ宮君がこっちも見て睨んだようだけど、ここは気づかないふりだ。、、、こ、怖いけど………
まぁいいと思ったのか、理事長、と向き直る二ノ宮君。
二ノ宮「それで、いつご到着ですか」
理事長「あと、10分後だな」
「「は?」」
なに10分後って、急ですね!っていうレベルじゃないと思うんですけど…
僕この後しなきゃならない仕事がいっぱいあるし、、
理事長「ちゃんと校門の前まで迎えに行って
くれよ」
隣から微かにチッて舌打ちが聞こえました。
怖いです。
でも僕もできるならしたい。
できないんだけど…
理事長「頼むぞ。もう下がっていい」
「「、、失礼します」」
バタン、と理事長室のドアを閉める。
二ノ宮「クッソ、やられた。あんのジジィ」
閉めた瞬間二ノ宮君がガシガシと頭を掻いて、めちゃくちゃ怖い顔になった。
どうしよう、逃げたい。
二ノ宮「悪い鈴原、迎えは任せた」
僕「え?」
二ノ宮「これから会議なんだ」
僕「まぁ、生徒会でなんとかするよ」
みんな忙しいもんね。
なんとか時間を作ろう。
なんだか重い雰囲気のまま別れる。
でも、協力のところ、突っ込まれなくてよかった…!
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