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はるちゃん
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二ノ宮「風紀から、助っ人を出すか」
二ノ宮くんがそう言ってきたのはある日の放課後、僕が仕事を風紀委員室に持って行った時だった。
僕「助っ人?大丈夫だよ」
きっと桜月君から僕が一人で仕事をしていると聞いて、考えたのだろう。
二ノ宮「いや、どうせ今年の風紀は人数も多いし役に立つ奴ばかりだから、2、3人くらいどうってことない」
あれ、これってもう決定事項なのかな?
なんかそのまま話が進んでるんですけど…
僕「でも、……」
二ノ宮「栗原いるか」
無視されました。
以前みたいに悪意のこもった感じじゃなくて、埒があかないと思ったみたいだけど。
昴「いるぞ」
二ノ宮「透は?」
透「いるよ、委員長」
二ノ宮が呼んで出てきたのは身長の高いイケメンさんと対照的な可愛子さん。
それが栗原兄弟だった。
二ノ宮「お前ら2人、今日から生徒会につけ」
絶対嫌だろうなと思ってたら、理由も聞かず素直にもどちらもOKしてくれた。
二ノ宮「じゃ、今日からよろしく」
そう言って僕ら3人を生徒会室に戻した。
生徒会室
僕「えっと、会長の鈴原遥です。
お、お世話になります」
透「お世話になるのはこっちのほうだよ会長さん。
僕は栗原透。そっちの大きいのは栗原昴で双子なんだ」
昴「よろしく」
なるほど、だから似てなくとも2人とも顔が整ってらっしゃるんですね。
透「でもさ、どうしたの?」
こてんと小首を傾げてこちらを見てくる透くん。
あ、あざと可愛い………。
僕「何が?」
透「ね?昴」
昴「あぁ。委員長と仲悪かった気がするが」
あぁなるほど。
仲が悪かったのに、委員長が僕を助けろと言ったことが驚きだったらしい。
僕「なんというか、仲直り?いやそもそも喧嘩してたわけじゃないんだけど」
透「そーゆーことね。」
ふーん、と笑った。
ねぇ、と今度は昴くんに顔を向ける透くん。
透「これは使えるよね?」
昴「そうだな」
え、え、2人とも意味深に笑ってらっしゃるんですが、怖いんですけど。
僕「な、何に…?」
透「いやぁ、委員長で遊べるなぁと思って」
僕「ん?」
意味がわからなかった。
なぜここで二ノ宮くんが出て来るんだ?
透「どうしよっかなー」
昴「はるちゃん、はどうだ」
僕「え!?」
ちょっと待って!?
はるちゃんて僕の事だよね!?
そんなこと言ってた!?
透「あーなるほど。ニックネーム呼びかぁ。
いいね!」
てことではるちゃんって呼ぶね!
と、何が何だか付いていけないまま、命名されてしまったのだ。
これはもう諦めた方が早いと、僕は学んだ。
透くんのはるちゃんは可愛げがあるよだけど、昴くんのはるちゃんは、最初笑うの我慢してた。ごめんね昴くん。
仕事しようかと2人に言って取り掛かろうとしたけど、2人とも机の前で止まったままだ。
僕「どうしたの?」
昴「はるちゃんこれ、なんだ?」
僕「え、仕事の書類だけど…」
まさかそういうことはしてなかったのだろうか。これでは捗るどころではなくなる。
透「えまってはるちゃん。これ1人でする気だったの?」
僕「え?、うん」
あー、そういう事かと2人ハモってうなづいた。
透「これは助っ人出すよなぁ」
昴「むしろなんで今まで出さなかったんだ」
なんだか納得してるみたいだけど、どゆこと?
透「とりあえず、遊ぶの一旦置いといて、パパッと片付けちゃいますか!」
という宣言通り、徹夜を覚悟していた量を3人で下校時間までには全て終わらせてしまったのだった。
いや僕より早かったです。
ちょっとだけ、紀田くん達が頭によぎったのは無視をした。
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