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植えつけられた
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遥、遥、と僕を呼ぶ声で目が覚めた。
まだ重い瞼をあげてみれば、そこに移ったのは母さんだった。
僕「ひっ、、ケホッ」
母さん「丸一日寝てたのよ?疲れたのね」
ほら、と水を差し出す手を払い、コップを落とす。
母さん「何するの?」
また、何か入っているのではないだろうか。
また昨日みたいな…いや、もう一昨日か。
みたいなこと、されるんじゃないだろうか。
僕「ぁ、、…ゃ…」
カスカスと喉を抜ける空気にと、それとは違う、詰まるような感覚にハッとした。
こ、え。
人が生活するにおいて必要不可欠なそれ。
声が出ない。
手を喉に当てた。
母さん「あらあら、喉が渇いたのね」
多分、渇きもある。
けれど、何か違う感じがする。
それに、…渇いてるからって飲み物を飲めるわけない。
ましてや母さんから。
母さん「昨日も佐々木さん、だったかしら。
ここへ来たんだけれどね。
あなたが寝てたから帰られたわ」
名前もよく覚えてないような人に、自分の息子を…?
でもまた来るのだろうか。
今日の夜、また…。
飲み物も取ろうとせず、何も喋ろうとしない俯いたままの僕に、もう少し休みなさいと母さんは部屋を出て行った。
直前、「今日はあの人も帰ってくるわよ」
と言い残して。
それから僕は備え付けのバスルームに行き、顔を洗う。
歩く時、1日経っても取れないだるさと腰あたりの鈍痛にあの日のことを思い出す。
手はもう消えかかってるけど、暴れただけあって少し痣が残っていた。
それを、擦る。
消えて、消えて消えて消えて。
この痣はあの日そのものだ。
何度も何度も擦る。
僕「はぁ、っはぁ…な、で…」
なんで、取れないの?
赤くなってしまったそこを握りしめ、うずくまる。
途端にあの光景がフラッシュバックしてきた。
僕「うわぁあああああっ!!!!」
頭を抱えて震える。
痛かった。初めてなのに、。
けど、それ以上に感じてしまった自分が憎かった。
クスリのせいだ。
けど、本当にクスリだけ?
僕「ちが、う。違う違う違う!!」
違う。あれはクスリのせいだ。
それ以外でも、何でもない。
僕「ぁ、あぁ……」
これじゃ、二ノ宮君に軽蔑されてしまう。
汚いと。
僕「やだ、やだよ…に、のみやくんっ!」
溢れてしまう涙を強く拭う。
その時突然腕をぐいっと引かれた。
え、と思う間もなくベットの方へ連れて行かれ、ドンっと体を押された。
倒れこんだそこは床で、身体中の痛みに耐えながら顔を上げると、
父さん「煩いな」
僕「とう、さ…」
父さんの、お早いご帰宅だった。
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