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世界で最も美しいモノ 月山side
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食とは美。
美とは食。
僕はそう思っている。
それは、人間とコーヒーからしか栄養を摂取できない僕達喰種だからこそ、尚更大事になってくる。
では、どこに美の観点を見つけるか。
匂い。
見た目。
性格。
その味。
それらを見極めて、最高級な人間を、もしくは人間の部位を探す。
最高級なものを、最高級な調理で食したい。
当たり前なことだと思う。
それでも、それを理解しないidiotな喰種は多い。
例を挙げるなら、神代リゼ。
通称〝大喰い〟と呼ばれる最も信じ難い種類の喰種。
彼女は言った。
「お皿に並べられた量だけでは足りない」と。
「そんな行為はまるで人間のようだ」と。
浅ましい豚や家畜のように食べ漁るのが好きなようだ。
本当に信じ難い。
だから、そんな彼女が死んだと聞いてもさし何も思わなかった。むしろ……
いや、この先は止めておこう。紳士らしからぬ発言だ。
とにかく、彼女が死んでも僕の生活に何ら変化はなかった………ハズだった。
だが違った。
原因が彼女かどうかは知らないが、僕の前に素晴らしい食材が現れた。
金木研。
喰種だがどこか人間のような香りを持つ不思議な青年。
その血はまさに一級品と呼ぶにふさわしい芳醇な香り。
いままで出会ってきた食材とは比べ物にならないほどの空腹感を覚えた。
食とは美。
美とは食。
彼は世界で最も美しいモノだった。
食べたい。
食べたい。
一口と言わず、その全て。
だが、そこは最高級品。
安安と手に入る筈がなかった。
手に入ったと思えばするりと逃げ、さらに変化して僕の前に現れる。
より香ばしいspiceを身につけて。
いつだって構わない。
彼を口にできる日が来るのなら。
どんな犠牲も構わない。
彼を手にできる日が来るのなら。
僕の美食道に誓おう。
持てる全ての力を出し、彼を手に入れると。
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