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貴方の世界に2 ウタ×金
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「それにしても、随分綺麗に切れちゃってるね。何したの?」
作業台でマスクを直しながら聞いてくるウタさん。
「実は、白鳩の人と軽い戦いになってしまって、その時に……」
「あらら。」
会話はちゃんとしてるけど、ウタさんの目線はずっとマスクに注がれている。
何かを見つめているウタさんは、すごく綺麗だった。
「…そーいえばさ、ここに来るまでによく喰種に会わなかったね。」
(……そういえばそうだな……)
「そうですね……人通りの多いところを選んでたからでしょうかね…?」
前から4区の喰種は凶暴だと聞いていたから、できるだけ会わないようにと夜でも人通りの多いところを歩いたのは確かだった。
「遭ってたら喰べられてたよ、多分。ここの喰種は血の気が多いから。」
「は、はは……」
「カネキくんは美味しそうな匂いがするしね。」
そこで初めてこちらを向かれ、ずっと見ていたせいでバチッと目が合った。
少し微笑みながらペロ、と舌を出される。
(なんか、ウタさんって……!)
エロい。
(待て待て。この表現はよくない…えっと、えっと……!)
扇情的だ。
(それだ。)
タトゥーも服もすごくかっこいい。
すごいセンスだと思う。
でも同時に、すごく扇情的な雰囲気も出ている。
なんていうか、ウタさんがそれを着たりすることでウタさんが元々持っている雰囲気が増長されている感じがする。
「……っ…」
顔が真っ赤になっている気がして、僕は下を向いた。
「さて、と。直し終わったよ、マスク。」
「えっ、もうですか?」
慌てて顔を上げると、本当にマスクは直っていた。さっきまで切れていたなんてまるで分からない仕上がり。
「すごいですね……!」
「綺麗に切れたからね。複雑に切れてたりしたら別のを最初から作らなきゃならないよ。」
それでも、これだけ綺麗に直せるのは本当にすごい。
(どれくらい練習したのかな…)
自分の好きなことにこれだけこだわることが出来るってことにすごく憧れた。
「あ、じゃあ僕はこれで失礼しますね……」
マスクを受け取って立ち上がる。
結構夜遅くなっちゃったし、これ以上遅くなったら流石に危ない気がした。
「んー、この時間帯は危ないんじゃないかな……」
でも、彼によると既に手遅れらしい。
「この時間になると4区の喰種達が人間を狙って大通りにも出てくるから、カネキくんの匂いにもすぐ気づくと思う。」
(じゃあどうすれば……)
まさに八方塞がり。
「……ウチ、泊まってく…?」
ウタさんのその一言に頷いたのは、ほぼ強制のようなものだった。
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3話に続きます!
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