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貴方の世界に ウタside
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ネタバレ含みます!
カネキくんを見送ったあと、僕は部屋に戻った。
しばらくはマスクを作っていたけど、なんだか気が乗らなくなって、席を立つ。
カネキくんは気づかなかったのか口に出さなかったけど、この部屋にはもう一つの部屋に繋がるドアがある。
そこを開け、奥の部屋に足を踏み入れる。
そこにあるのは、おびただしい数のマスク。
色んな形があるけど、ピエロを模した形が一番多い。
なんとなく、その中の一つを手に取る。
「カネキくん、かぁ…」
多分彼は、僕のことを全然知らない。
僕がピエロだってこととか、全部。
まぁ、僕も彼のこと全然知らないんだけど。
それでも、何故か彼には惹かれるところがある。
彼の未来は、きっと悲しいことや苦しいことばかりなのに。
それでも、いつか。
いつか、僕は見てみたい。
君から見える、君の世界を。
君に触れられる、その距離で。
マスクをつけて、僕は気づかないうちに笑っていた。
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