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過去は還らない14
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2年間という月日。
月数に直すと24ヶ月。
日数に直すと730日。
時間に直すと17,520時間。
……随分と時間が経ってしまった。
まだ待っているのだろうか。
まだ僕を想っているのだろうか。
……彼にはいつも、頼ってばかりだ。
いつの間にかポツポツと雨が降り始め、すぐにザアザアと激しくなった。
体も冷えてきて、なんだかすごく寒い。
急に降り出したせいで、人の多かった大通りもひどく静かに変わった。
「はぁ……は…はぁ……は、」
着いた。
ここだ。
懐かしい、静かなカフェ。
僕はびしょ濡れだし、店内には入れない。
でも、僕と月山さんが座った場所は、外からでもよく見えた。
彼は、いない。
当たり前だ。
もう2年も経ってるんだ。
(……消えよう)
どこか、誰もいない静かな場所で。
そっと世界からいなくなろう。
きっとそれが、一番いい。
たくさん人を傷つけた。
これが、報いってやつなんだ。
くるりと方向転換して、歩き出す。
どこに行こうか。
静かな場所って、山かな。
海もいいな、
いつか
月山さんと、
行ってみたかった、なぁ。
「……はは、」
ねえ、好きです。月山さん。
もう言葉にもできない感情を
そんなこと許されないこの想いを
僕は、どうしたらいいんですか?
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