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朝に、なりましたよ。
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何事もなく一日は過ぎ、朝。
空では雀のアベックがいちゃついている。
このっ、雀のくせに生意気な。
はぁ、とため息をつきつき校庭に入ると、見慣れた顔が見えた。
……なんと。
あの腹黒なあいつが可愛らしい女と楽しげに歩いている。
あいつ、彼女はつくらないとか言ってたのに。
純平は邪気を発するこちらに気付いた様で、顔を輝かせて近付いてきた。
「徹~! おはよー!」
俺は小さく「はよ」と返すと、『その女は誰だ』と訪ねようとした。
だがその女は、無駄に綺麗な顔立ちをしていて、少し怯む。
で、訪ねようとしたのだが──。
「わぁ、貴方が徹さん!?
兄がお世話になってますぅ~。 あ、私一年生で純平の妹であります、星野 佳子です!」
その女が先に口を開く。
というか、ガンガンくるなこの女。
なんとなく美咲に雰囲気似てるような気もする。
女って皆こんなもんなの?
って──。
「ぇ!? い、もうと……?」
可愛らしい顔立ちなんかは確かに純平に似てるが……こんな腹黒い奴の妹には思えないのだが……
「アッハハ、徹さんってホントイメージ通りー。
兄さんの言った通り、どっかに閉じ込めでもして虐めて泣き顔拝みたいタイプゥ~」
……前言撤回。
こいつ確かに純平の妹だわ。
「んもー、徹を虐めるのは俺の特権なんだからなぁー?」
「んな恐ろしい特権、お前にあげた覚えねぇわ!」
俺は、ヘラヘラと恐いことを言っている純平に言い返した。
すると、純平はフフ……と不敵な笑みを浮かべた。
「まーったくぅ、徹は素直じゃないんだからなぁー。 ほら、行こ行こ。
じゃーね、佳子」
純平はそう言うと、佳子に手を振って歩き出した。
あ……こいつ、ちゃっかり俺の肩に手を回してきてやがる。
その為、ピタッと体が密着していた。
離れたいのはやまやまなのだが、純平の方が幾らか背が高い。
(決して俺が背が低いわけではない。 決して)
それに加え、グッと押さえつけられているのでなかなか離れられないのである。
仕方がないので肩を組んだまま校舎の中に入り、自分の教室に向かおうとしたのだが──。
純平は無理矢理全く違う方向に足を進める。
俺の肩にあいつの細く長い指がグッと食い込む。
「お、おい……純平……? 痛いって……!」
俺がそう訴えても純平は反応しない。
昨日の体育の時間の時にしていた、怖い顔をしていた。
また、背中の毛がゾワッと逆立つ。
おかしい。
いつものあいつじゃない。
──怖い
「……ごめん」
そう呟いて純平は、俺を使われてない空き教室へ押し込んだ。
古い紙の匂いと埃っぽい空気がツンと鼻を掠めた。
純平は、俺のことを押し倒した。
「え、なに……?じゅんぺ……」
そして、そっと自身の唇で俺の唇を塞いだ。
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