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お友達として。
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「んもぉぉぉ、徹チャンったらどうして言ってくれなかったの!?」
「……何をだ」
「遥チャンと親密な関係になってること!」
「……いや、あれは不慮の事故だ。
──遥チャンって、桜井のことか?」
「えぇー……ラブラブだったじゃなぁーい。
遥チャン、絶対メガネ取ったらイケメンフラグだからね!? 付き合っちゃえよぉー!!」
「……下らない話すんなら聞かねぇぞ」
「……いや、あのね…これはわりと本気めの話なんだけどね、」
俺と美咲は空き教室の中で、何となくゆるゆると駄弁っていた。
その途中、急に美咲が真剣な顔つきをして声を潜めた。
さっきまで大興奮だったというのに全く、忙しい奴である。
「……遥、まぁあのコミュ障っぷりであらかた予想はついてたんだけど、やっぱ友達居ないらしいのよ。
……で、徹に友達になってもらえないかなぁー……と。 ホントはアタシ達がなってあげれば一番良いんだけど……怖がられちゃってどうしようもないのよねぇ…だから……」
勿論、徹が良ければなんだけど、と美咲は俺の方を伺う。
あぁ、やっぱ変わってねぇな……
──小さい頃からこいつは、とてもとても明るい。
その明るさは、周りの人を元気付けたいというこいつの思いやりの結果なのであって──。
口を開けばホモばっか言ってるこいつだが、無駄に周りに気を回しているのである。
「──はぁ、仕方ねぇな」
ほんと仕方ない。
だって俺は、美咲のこういう所が大好きなのだから。
「あのダサメガネとダチになりゃいいだけの話だろ?」
俺がそういうと、美咲はパァッと顔を輝かせた。
「うんうん!! ありがとね、徹チャン!!
あ、遥チャン基本ボッチ飯らしいんだ! 多分今日もそうだから、誘ってあげて!」
美咲は、じゃあねっと先に行ってしまった。
──さ、俺も教室戻りますか。
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