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NOと言ったらぶっ殺す。
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「──あ、そうだ徹、五時間は学園祭のクラスの出店なにやるか決めるんだってよ」
暫く駄弁った後、思い出したように純平が手を打った。
慌ただしい四月に学園祭、なんて変な話ではあるがうちの学校昔からはそうらしい。
どうやら大学受験をする学生に気を遣って──と、いうことらしいのだが……
ホントのところその動機は不明である。
バッチリ十二月にマラソン大会もあるというのに。
「へぇ……興味ねぇな」
しかし、俺はそんな行事に興味はない。
去年の出し物も覚えてないし。
(確か……無難な喫茶店かなにかだ)
「えぇー、そうなのー?」
「ったりめーだろ! マジくだらねぇし、そんな行事」
「あ、学園祭一緒に回ろうねー」
どうせ今年もつまらない学園祭になるだろう。
──少なくともこの時は、そう思った。
*
「皆サァァァァァァンッッッ!!!! 今回の学級会の議題は学園祭の出し物決めだ!!
最高にクールな出し物を提案してくれーーっ!!!!」
ぱぁぁぁぁんっっっっっっっっ!
純平の言った通り、五時間。
乗りに乗った学級委員が黒板を叩く音が教室に響いた。
うるせーぞ、と軽く野次が飛ぶが話し合いは着々と進んでいる様だ。
そんな中、俺はというと発言もせず、誰とも目を合わせぬように空を仰いでいる。
一番後ろの席だからこそ成せる業だ。
と、俺が居眠りでもしようかと目論み始めた頃。
話し合いがワーキャーワーキャー白熱してきた。
……なんだなんだ、うるせぇぞ。
「──と、徹チャンもそう思うわよね!?」
「思うわよね、近藤君!!!!」
俺が顔を渋くさせると、物凄い勢いで女子達に話を振られる。
『NOと言ったらぶっ殺す』とでも言いたい位の勢いだった為、反射的に頷くと男子からブーイングが起こった。
「徹ーー!! おめぇ……話聞いてなかっただろ!?
適当に頷いてんじゃねーよ!!」
「いや、出し物は “ これ ” で決まり!! ほら、学級委員!! 早く書いちゃいなさいっ!!!!」
ヒィ、と肩を竦める学級委員。
女子の勢いが恐かったのか、黒板に震え手で『メイド喫茶』と書き記した。
「──メ、メイド喫茶だとぉ~!!??」
俺は、目を白黒させるしかなかった。
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