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頼ってくれた。
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「…あー…クソォォォ……!」
結局あの後、何故か俺達のクラスは『メイド喫茶』をするということで話がまとまった。
(男共からは俺のせいだと責められた)
しかし、うちのクラスには女子が九人しか居ない。
しかも、その中でメイド志望の者は三人。
──深刻なメイド不足である。
と、いうことで不本意ながら男子も数人メイドになることになり(!)、そのメイドはくじ引きで決められた。
そして、俺は見事にメイド役を引いてしまった。
(因みに遥もメイド役。 だが見事に純平は回避した)
……ホント、泣きたい。
すっかり暗くなった窓の外を眺めて、部活などやっていない為とっくに家に帰宅している俺はベッドへダイブした。
──あぁ、俺のメイド姿なんて誰得なんだよぉぉぉぉ!!!!
もういっそ学園祭なんてドタキャンするか。
だれも困らないだろ、俺が居ないくらいで!!!!
俺が軽く絶望していると、ピンポーンとインターフォンが鳴らされた。
はーい、と一つ違いの姉が応じたのが二階の自分の部屋に居ても聞こえた。
それにしても、こんな時間に一体誰だろうか。
まぁ、セールスかなにかだろうな。
「徹ーーーー!! 星野君だよーーーー!!」
俺がゲーム機を立ち上げていると、そんな姉の声が家の中に響いた。
油断していた為、ガタッとゲーム機を取り落とす。
──って、
「ほ、ほしの!!?? 純平か!!!!」
え? こんな時間に、純平がか??
混乱して身動きできずにいると、
「んもう、早くしてよね徹」
後ろから、あいつの声が聞こえてきた。
「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!!! 居たの!!??」
いつの間に俺の後ろに立ってやがるコンチキショウ。
純平は、来ちゃった、と重そうな荷物を降ろした。
いやいやいや、来ちゃったって……アポなしにも程があるだろ。
俺、タンクトップにボクサーパンツっつースタイルなんだけど。
思いきり油断してたぞ。
「……ちょっと……今日、泊めてくんね?」
純平は、少し疲れたように笑った。
察するに、家族と一悶着あったらしい。
確かこいつは、親父さんと仲違いを何度も起こしている。
深入りしないのは俺なりに気を使っているつもりだ。
「うん、俺ん家はok。 今日はお泊まり会でもすっか」
「……ありがと」
「なんだよ、素直でお前らしくねぇな! いつもみたいに皮肉言えよー!」
正直、嬉しかったのである。
やっとこいつが頼ってくれた。
そう思うと、口許が緩んだ。
一方純平は不満そうにした。
「……それじゃあ、俺が皮肉屋みたいじゃねぇかよ」
「え、違ったのか?」
「んもー……君って奴は……」
が、すぐにクスクスと笑い出した。
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