アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
【過去編】腹黒青年は恋焦がれる ④
-
それから数日は、三人で過ごすことも多くなった。
特に、徹とはずっと一緒に居た。
徹は、人懐っこくて──男にこんなことを言うのもアレだが、とても可愛い。
そんな俺らは、『友達』なんだろうか。
それとも──。
*
「おーい、純平! おはよう!!」
俺が朝登校すると、自分の席に座った徹が満面の笑みで片手を上げた。
おはよう、と返すと徹は手を引いて俺を引き寄せた。
一瞬だけ顔が近付いて、不覚にもドキリとする。
「……なぁ、お前って星野 翼の長男なの?」
が、そのドキマギも徹が言った言葉でサァーッと引いていった。
星野 翼──俺の親父の名前だ。
俺の顔が強ばったのに気付いていないのであろう徹は、ギャーギャーと騒いでいる。
「凄いなー、お前! 金持ちじゃん!!
やっぱ、頭良いしなー。 納得って感じだよなー!」
「──ねぇ、徹」
気付いたら、徹の頬に触れていた。
徹がビクッと体を震わせていて、それを見たせいかなんなのか背筋がゾワッとした。
何故だか、こいつのこういう顔がもっと見たかった。
が、そんな邪念はすぐに捨てる。
けれども、動いてしまった口は塞がらなかった。
「親父のことには触れないでくれるかな?
俺、親父のことでギャーギャー騒ぐ奴嫌いなんだよね」
俺が、そうあいつに言い放つとあいつは、ゴメンと言って泣きそうな顔をしている。
また、背筋がゾワッとした。
「……あっ、でも徹のことは嫌いじゃないから。
寧ろ──好きだから!」
俺が必死に取り繕っても、徹は微妙な顔をしている。
……あぁ、これは嫌われたな。
──というか俺、今なに言った?
動転した所を見せた上、好きだって?
……俺……こいつと関わってから、少し変だな……
徹は、急にパッと顔を上げて口を開いた。
「……お前──」
俺は、反射的に顔を逸らしていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
20 / 102