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【過去編】腹黒青年は恋焦がれる ⑤
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「お前、美咲の言う通り、ドSってやつなのな!?」
「……は?」
予想していたものとは相容れない言葉に、思わず徹の方を向いた。
徹は、何故か目をキラキラさせている。
(自分がちょっとばかりヤバイことを言ってることに気付いてないのか……?)
──あれ? 嫌われたわけじゃない……?
……正直ホッとした。
あんまりにもホッとしたんで──柄に似合わずやっぱ動揺していたのだと思う。
とても、とても。
「んもぉ……っ、なんで俺がドSなのさぁ……っ」
……だとしたら、なんとも情けない声を出しながら徹にギュッと抱き付いたりなどしないだろう。
「……えっ、だ、だって美咲が……っ、お、お前は『きちくぷれい』とか『ひわいなことば』で俺を追い詰めて俺のことを『ほる』……ドSなんだろう…って!!」
……で、徹も相当混乱しているらしい。
徹の胸に顔を押し付けると、心臓が活発に動いているのが分かる。
──でも……
俺は、徹から離れてから喚いた。
「お……おま……っ! なに言ってんの!? 鬼畜プレイて! 卑猥な言葉て!!
徹ってそういう趣味なの!?」
「うぇ!? お、俺はあいつが言ってたことを伝えただけで……っ!!
え……そ、そんなヤバイ言葉なのか!?」
こいつ……訳も分からず使ってたのか、こんな言葉……
あー、慌てたのがバカみたい。
(……というか、一連の通りを濁った目で見てた女子はなんなんだろうな)
「……え……ご、ゴメンな……俺……そんな純平を困らせるつもりはねぇんだけど……」
俺が何も言ってこないのが怖かったのか、徹は珍しくしょぼくれた。
「……困ってなんてないよ。 平気平気」
──パーッと顔を輝かせる徹は、やっぱり可愛い。
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