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【過去編】腹黒青年は恋焦がれる ⑦
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──好きなの?
──好きなんでしょ
帰り道で、さっき美咲に言われた言葉がぐわんぐわん頭の中を反響する。
……参った、すっごい動揺してるな。
俺は、駅のホームで人に呑まれながらも電車に乗った。
と、丁度向かいに座っている人と目が合う。
そいつは、俺を見て軽く手を振った。
そして、隣に座るように俺を促す。
俺がそこに座ると、目付きの悪いそいつはニッコリと笑った。
「偶然だな、純平」
「……そうだねぇ、徹」
その無邪気そうな笑顔が、とても直視できない。
俺、やっぱり──変だな、うん。
徹は、俺と会えたことで興奮しているのか、いつも以上に饒舌だ。
「純平、いつもこの電車なのか?
俺は違うんだけどね、あ、純平がいるならこの電車にすっかな~」
俺は頭を垂れてそんな話を聞いていた。
「……えっと、純平? 腹でも痛いか?」
「えっ、痛くない痛くないよ! ……平気」
徹はそんな俺の顔を覗き込んでくる。
……心臓に悪いから、やめてほしい。
俺は、無意識に徹に質問していた。
「……徹は、俺のこと好き?」
「え? 好きだぞ。
まぁ、お前は愛想ないしSだし変な奴だけど──。 悪い奴じゃないよな!」
「……ありがと」
──あぁ…やっぱり……俺、
お前のことが好きだ。
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