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ファーストキッス
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──そんな俺らは、無事に高校二年生になった。
沢山の出来事があったが、徹に自分の気持ちを伝えられぬままでいる。
伝わるどころか、俺は物凄いSだと認識されたらしい。
(……まぁ、俺もそういう発言したような気がするんだけどね?)
「でも、徹チャンには純平という立派な恋人が居るからいいじゃない!!
彼女なんてこの美咲ちゃんが許さないわよっ!」
「……お前本当ブレないのな」
……と、まぁ幸運なことに同じクラスになった俺らは、廊下を歩いていた。
美咲が徹のことを冷やかしても、徹はいつものようにムスッとした顔をするばかり。
困ったもんだというように、美咲は徹に見えないように肩を竦めた。
──まぁ、この鈍感にも慣れたからいい。
こればかりは仕方がない。
「俺らはただの友達だっつぅの。 な、純平?」
……が、友達呼ばわりは……少し傷付く。
俺の気持ちが微塵も伝わってないことを、実感させられてしまう。
徹が俺のことを友達だと言う度に、俺は寂しさに襲われる。
俺の口からはまた、無意識に言葉が飛び出していた。
「……さぁ? 徹がそう思ってるだけで、俺はそんなこと思ってないかも──」
俺は体を折り曲げて徹の顔に顔を近付ける。
徹は、ビクッと体を震わせて目を閉じた。
あぁ、なんて可愛いんだろう──。
俺のものにしたい、俺だけを見てほしい。
そう思うと、体は止まらなかった。
……そのまま、俺は徹の唇に自分の唇を重ねた。
徹の唇は、柔らかくてキスするととても気持ちが良かった。
そんな俺の目の端に、スマートフォンを構えている美咲の姿が映る。
俺は慌てて唇を離す。
が、美咲はクスクスと笑っているだけ。
……あー……マズイ……
徹の方を見ると、呆然として固まっていた。
……まぁ、仕方ないか。
俺も徹のこと直視できないし。
「……ふ。 もしかして初めてだった?
俺、先教室行ってるわ」
でも、余裕な振りをして教室に入る。
美咲もチョロチョロ着いてきた。
「スッゴイじゃない、純チャン! 大進歩よ、大進歩!! 徹チャンのファースト奪うなんて、いい調子じゃない!!」
……席順を確認すると、俺は一番前のうえ、この騒がしいこの子の隣の席であった。
それを確認すると、美咲はペラペラ喋り続けた。
……おーい、だれかこの子の口塞いでくれー。
「あっ、アタシ達隣ね。
あー、でも徹チャン鈍いから、これくらいじゃまだまだ悪ふざけの延長くらいにしか思わないかも」
「そーそー。 あいつバカだからねー。 もっと大胆にならないと!!」
「おー、松尾っち!! えっ、同じクラス!? やだぁー、嬉しい!!」
と、美咲の友人らしき人も乱入し、俺は『もっと大胆にスキンシップをしろ!!』と一方的に言われ続けた。
挙げ句の果てに、
「もう押し倒しちゃいなさい!? 絶対そうでもしないとあの人自覚しないからね!?」
「そうだそうだ、それであいつのケツの穴にお前のブツを突っ込むんだ!!
もうこの際あっちが拒否っても関係ない!! ヤっちまえ!!」
と、下ネタが俺の周りを飛び交っていた。
するわけないじゃないか、徹を押し倒すなんて──。
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