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大好きです、大好き。
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「……徹、ボーッとしてますよ? ……どうしたんですか……?」
遥は俺の顔を覗きこむ。
放課後、例によって遥の家に来ていた。
が、今日も駄弁るだけで終わってしまいそうだ。
やはり俺じゃ駄目なのかなぁ、と自己嫌悪をしてしまっていると遥は顔を心配そうに見てきた。
そして、
「無理、してますか?」
その細い手で俺の手を取った。
柔らかくヒヤッとした感触に、俺の中のなにかが吹っ飛んだ。
「なぁ……
お前────俺のこと好き?」
不安なのだ。
不安でたまらないのだ。
良かれと思ってやっているこの行動一つ一つが、こいつにとって負担なのだとしたら……?
こいつは本当に一人で居たがっているのだとしたら……?
……こいつに、嫌われているのだとしたら──?
今まで人から『怖い人』と言われ続けて、小さい頃は人から避けられていた。
今の人間関係があるのだって、殆ど純平と美咲のお陰だ。
もう、怯えられるのは嫌だ。
特に、こいつには。
何故か、こいつと居ると心が落ち着いた。
素直になれる気がした。
なのに、こいつに嫌われたら──?
遥は俺の顔を見て、慌てたようだった。
「……僕は……僕は徹のこと大好きです……!
徹は、僕のこと……嫌いですか? 僕が……意気地無しで……嫌ですか……?」
いつものように、ネガティブな発言を繰り返す。
あぁ、愛おしい──。
こいつが、愛おしい。
「……俺……多分……遥のこと、好きだわ」
遥は、ふぇっと妙な声を漏らした。
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