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メガネを外したらば。
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あー……やっちゃったな……
黙り込んだ遥を見て俺は歯を食いしばった。
やっと、冷静に物を考えられるようになってきた。
俺──今、男に告白した?
ヤバイ、死にたい。
この場から消え去りたい。
「……気にするな」
「僕もです」
顔がカァーッと赤くなり、さっきの発言を取り消そうとした俺の言葉を打ち消すように、遥は口を開いた。
「……僕も、徹のこと好きですよ」
遥は、そこで一旦言葉を切る。
「僕……僕、人と話すのとか苦手で、友達も出来なくて……徹が話しかけてくれた時、嬉しかったです。
なんでこんな僕と友達になってくれたのかは分からないですけど……僕、徹と話してる時嬉しいです。 もっと貴方のことを知りたいです。 ……迷惑じゃなければ、ですけど……」
予想外の展開に、頭が着いていけない。
が、こいつがこんなことを言ってくれるなんて──胸が踊った。
それと同時に、こいつがこんなに長く話す所を見たのは初めてで、何故か頬が紅潮した。
「……徹は、僕にヒドイことしませんよね」
遥は一息吐いた後、俺のことを見た。
俺が頷くと、手をメガネの方にもっていく。
遥の口はギュッと閉じられ、手は微かに震えている。
あれ、こいつ──。
「無理しなくていいぞ?」
俺が話しかけると、遥は強がったように「無理なんて……してないです……」と言うが、やはり手は震えているし、なかなか動かない。
あぁもう、もどかしい……!
生憎短期な性分だ。
こいつは絶対無理してるし、俺が外してやった方がいいだろ。
「俺が外してやるよ」
遥は、
「……申し訳……ないです」
と、項垂れた。
俺はそんなそいつのメガネに手を伸ばす。
──でも、どうして急にメガネを外してくれる気になったんだ……?
ふと、それが気になったが深くは追求しないことにする。
遥にも遥なりの考えがあるのだろう。
メガネを手に取り、えいっと一気に外す。
露になったあいつの顔を、思わず熟視してしまった。
メガネを握る手に力が込もる。
遥は、恥ずかしそうに俺を見つめ返す。
「……そ、そんなに見ないでくださいぃ……」
──そこには、美少年が居た。
「お前……可愛いのな」
そう、声を漏らしてしまう程に美しいそいつは、なんだか人間離れしていた。
放っておけば消えてしまいそうで、とても儚げで──。
見ているとドキドキして、思わず目を逸らしてしまう。
多分、目が合っちゃうからだ。
今までとは違って、目が合うとはっきり分かるからだ。
嗚呼……………
────好きだ。
──────やっぱ、俺、お前のこと好きだ。
「徹?」
俺は、遥のことをしっかりと抱きしめていた。
吐息が首にかかり、くすぐったい。
遥は、不思議そうな声を出した。
俺は、一旦遥から手を離す。
……急に俺、なにしてるんだ。
いつになく大胆な自分の行動に驚く。
遥はキョトンとした顔をしている。
──嫌だったのかな。
「……もう少し、ぎゅっとしても……いいんじゃないですか?」
不安になった俺の気持ちを振り払うようなそんな言葉に、俺の口からは笑い声が零れていた。
そして、遥のことをギュッと抱き締めた。
「……顔、見せてくれてありがとう」
「……いいえ、とんでもないです……!」
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