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勉強会。
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退屈な授業ももうすぐ終わり、放課後だ。
セン公の話を聞きながら、カリカリとシャーペンを走らせる。
定刻になり、授業が終わった。
と、セン公がおもむろに口を開く。
「あぁ、この問題はテストに出やすいから覚えとけー」
……あ、もうすぐテストだ……
うちの学校最大の謎は、いちいちテスト期間の近くに行事を被せてくること。
例えば、学園祭が終わった三日後に中間テストがあったり……
完全なる嫌がらせだ。
おつむの弱い俺としてはイラッとしかしない。
くっそぉ、今回のテストも赤点だらけなのかなぁ……
憂鬱になって机に頭をぶつけるが、そんな俺など気にしないクラスの皆さんはHRを始めた。
やる気のない俺は、隣に座る遥をさりげなく観察して時間を潰す。
が、それでもダルイのに変わりはない。
早く終われ、HR。
そう念じていると、HRはじきに終わった。
よし、早く帰って寝よう。
俺が鞄を持つと、遥がぴょこぴょこ近付いてきた。
「徹、もうすぐテストですね……!」
そして、どことなく嬉しそうに言った。
俺はテストが憂鬱なのに、こいつはテストが楽しみなのか……?
「……あ、あの……もし嫌じゃなかったら……一緒に勉強しませんか……?」
奇特な奴だなぁと思った時、不意にそんな提案をされて思わずたじろぐ。
「……あっ、嫌だったら全然断っても……構わないので……っ」
その反応がショックだったのか、遥はしゅんとしてうつ向いた。
頭を撫でてやると目をとろんとさせていて、その顔に一瞬だけドキッとする。
まったく、このドキドキは何度も経験しているのに慣れられない。
「い、嫌じゃねぇよ」
「……ふぇ……?」
俺がそう言うと、遥は妙な声を出しながら頭をかしげた。
「あ、今度は俺んち来る?」
「は、はい……! 行かせていただきます……!」
話は順調に進み、今度の日曜に俺の家で勉強会をすることになった。
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