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覚悟決めて
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君とずっと一緒に居たくて、ずっと笑い合っていたくて、離れたくないと思った。
久しぶりにこの感情とご対面だ。
目付き悪くて、ガサツで、でも僕のことを真っ直ぐ見てくれた君のことが、僕は好きです。
きっと、君だったら僕のことも受け止めてくれる。
すがるような気持ちで、この想いを告げることを決めた。
*
「──待って、徹!」
僕なりに頑張って君を引き止めた。
いつもなら、絶対に耳を傾けてくれる。
けれど、今日は違った。
「……すまん、大事な用事があるんだ」
君は申し訳なさそうに言い、僕を見た。
少しショックを受けている自分にイラついてしまう。
「……わかりました。じゃあ、また、今度……」
それを隠すように、いつの間にか妙な期待をして一人で盛り上がっていることを悟られないように。
僕は君に背中を向けて歩き出した。
勿論、後ろからはなにもやってこなかった。
ベージュ色の床を見ながらボーッと歩いていると、誰かとぶつかってしまう。
──あ、マズイ。
そう思った時にはもう遅く、格好悪くも床に尻餅をついてしまう。
「あっ、ゴメンゴメン、アタシ前見てなくて!!」
起き上がろうとすると、スッと手が伸びてきて僕の手を掴んだ。
ありがたくもその手を借りて立ち上がると、その手の主は三浦さんだった。
「あれ、徹チャンは?」
僕がお礼を言おうとすると、それよりも早く三浦さんは口を開いた。
あれ、徹のこと探してるのかな。
「……大事な用があるようで……」
「えっ、もしかして遥チャン聞いてないの!?」
三浦さんは、大声で叫んでから僕の肩を掴んだ。
すぐに僕から離れてから、うーんと一つ唸った。
「……徹チャンなら言うと思ったのに……」
「え……っと、なにがですか?」
「……秘密。 屋上にでも行ってくれば?」
目を爛々と輝かせる彼女は、口角をキュッと上げた。
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