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目を逸らす。& その原因は?
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『徹side』
結局、あの手紙の送り主は分からないまま次の朝になった。
今日は純平と一緒に登校してきたが、あいつは委員会の仕事があるらしく、どこかへ行ってしまった。
昨日の偽告白のことを純平や姉さんに話したら、大笑いされてしまった。
(まったく、ヒドイ人達だよな)
で、一番笑わなさそうな遥に話そうと思い、早速話しかけようとするとぷいと目線を逸らされる。
「ん、遥?」
おかしいな、と思って声をかけるが反応がない。
遥は俺のことなど見えていないように本を読んでいる。
「おい、無視すんなって」
その態度にムカムカして肩を叩くが、遥は迷惑そうにこっちを見ただけで、やはり頑なに口を開こうとはしない。
それどころか、席を立って教室の外へ行こうとしている。
咄嗟に出た手が、遥の腕を掴んだ。
「……離してくれませんか?」
「なんかあったのか?」
露骨に嫌な顔をするこいつは、いつもと少し違う。
俺の知ってる遥は、こんな露骨な表情しない。
だったら、なにかがあったと考えるのが普通だろう。
「……自分で考えてみたらどうです?」
遥は、俺にそう言ってから、
「もう話しかけないでください」
俺が呆然としている間に姿を消した。
*
『美咲side』
今日も、いつも通り二人の絡みを見られると思ってたのに。
「おい、無視すんなって」
「……離してくれませんか?」
アタシが教室に入ったとき、その二人は絡むどころかムスッとした顔で睨み合っていた。
……えっと……なにがあったの?
状況が理解できなくて、ポッカーンとする。
この二人の喧嘩の元になるような情報、あったかしら……?
……いや、ないな。
徹と遥は、最近とても仲睦まじかったはず。
ずっとこの二人を観察していたアタシが出した結論だ、間違いはない。
だとしたら、どうして喧嘩っぽいことをしてるんだ……?
おぉ、情報屋の血が騒ぐ。
なんとしてでもこの二人のわだかまりを解いてやる!
そう、心に決めた。
その為には、直接取材が一番。
アタシは呆然としている徹に近付いていった。
「と・お・る・チャンっ!」
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