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謎の怪我。
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悩んでいようと、心が踊っていても、構わずに時は過ぎ去る。
気付いた頃には、遥に避けられたまま学園祭四日前だ。
ヤバイ。
じだばたもがいているだけで、なにも出来ていない。
早くあいつと仲直りしたい。
また、いつかみたいに笑い合いたいのに!
胸のモヤモヤが、日を追う程に大きくなる。
あーもう、どうしたらいいんだよぉー。
最近は、純平と美咲もチョロチョロ動き回っていて全然捕まらないし。
俺は机に頭を打ち付けて、ボーッとしている遥を眺める。
ふと、その細い首元にある赤い傷が目に入る。
あれ……こいつ、こんな傷付けてたか?
何故か、ドクドクと胸の辺りからくる音が大きくなる。
首元、うなじ、鎖骨、手首。
きちんと見ないと分からないような位置に、傷が付いている。
思わず俺は立ち上がって、遥の肩を掴んだ。
「……おい、その傷」
誰に付けられた、と続けようとする。
こいつは俺のものなのに。
なに勝手に傷付けてんだ。
口がへの字になって、溢れ出てくるのは感じたことのない感情だ。
遥は、俺の手を振りほどく。
「……触らないで」
「俺、なんかしたか」
「 ……お願いします……僕に構わないでください……!」
ここまで拒絶されてしまうと、黙るしかなくなる。
「……分かったよ」
*
「……楽しいなぁ……」
僕はプリントアウトした書類を見てほくそ笑んだ。
あぁ、笑いが止まらない。
だって、新しい玩具を一杯見つけたんだもの。
無理もないだろう?
「絶対、絶対取り戻してやる」
僕は、ククッと肩を震わせる。
全部、全部壊してやる。
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