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消されるよ。
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帰って早々、自分の部屋へ向かう。
誰とも話したくない気分だし、顔も合わせたくない。
が、ドアを開けると当然の様に姉さんがパソコンをいじりながら胡座をかいている。
俺に気付いた姉さんは、軽く片手を上げた。
「あっ、お邪魔してまーす!」
「あっち行ってくれ……」
なぁーにがお邪魔してますだ。
いつもならワーワーと言い争いになるところだが、いちゃもんつける元気もない。
俺はもう一度繰り返す。
「あっち行け」
姉さんは、パソコンをタイピングする手を一旦止め、俺を見る。
「んもぉ、私に当たんないでよ~」
「なんのことだ」
「姉さんは情報通なのです!」
胸を張る姉さんに、なんだか顔が引きつる。
こいつ、全部知ってる訳……?
「へーきへーき、からかったりなんてしないし。
で、コイツのこと見覚えあるかしら?」
俺が思っていたことを見透かしたように言い、姉さんはパソコンの画面を見せてくる。
お前はエスパーか。
そんな言葉はグッと飲み込み、その画面を見る。
そこに写る人物を見て、あ……と声が漏れた。
「……駅で会った」
その人物はこの前駅で会った、癖毛が特徴の少年だった。
けれど、そこに写っていていたそいつはスーツをピシッと着て、髪もオールバック。
一瞬誰だか分からなかった。
「うわーっ、やっぱ接触してたの~!? やっばぁーい!!」
「えっ、これそんなヤバイ奴なの?」
俺が訊くと、姉さんは肩を竦める。
「十六夜 聖次──ヤクザグループ、朱桔梗の幹部の息子。 アンタの彼氏の転校の原因となった奴。
相当ヤバイぞぉーっ、こいつはぁ。 最近は見なくなってたけど、プカーッと浮いてきてねー」
そこで、一旦息を吸った。
「気を付けてね、彼氏君とイチャイチャしてると下手したら消されるよ」
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