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季節外れの。
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欠伸を飲み込んで席に座ると、すぐにチャイムが鳴ってHRが始まる。
寝ようかな、なんて考えているとガラッとドアが開く。
いつも通り、いつも通りなはずだったのに──。
「今日は、転校生を紹介するぞー」
そう言った先コウの後ろから出てきたのは、
「こんにちは、十六夜 聖次です」
昨日姉さんに気をつけろと命じられた、アイツだった。
何気なく遥を伺うと、何故か顔色が悪かった。
やぱり、アイツになにかされたのか……?
色々考えていると、十六夜は丁度開いていた俺達の前の席に座ることになった。
そして、そう指定された次の瞬間そいつは、意地悪そうに顔を歪ませた。
少し気が引けるが、こいつとは絶対関わらないようにしよう。
そう、心に誓った。
*
「こんにちは、十六夜 聖次です」
目の前でイケメンスマイルをかますそいつを見て、アタシは盛大に咳き込んでしまった。
いつか近付いてくるとは予想していた。
だけど、速すぎない!?
隣の席の純平が、困ったようにアタシを見る。
そして、書き殴ったメモを回してきた。
『あいつが、朱桔梗の?』
『そうよ』
『なんで転校なんかしてきたの』
『多分、遥チャン目当てよ』
メモはそこで止まった。
純平はいぶかしげな顔をしている。
アタシは新たなメモを回す。
『妙なことが起きなければいいんだけどね』
いや、起きるに決まっている。
アタシの不安な気持ちを感じたかのように、純平は余裕で微笑んでみせた。
『いや、君ら腐女子は強いもん、平気でしょ。
この俺だってついてるし』
──そう励まし合うアタシ達は眼中に入っているのかいないのか、十六夜は一瞬ニタァっと笑ってみせた。
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