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スルメ。
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今日一日、ずぅーっと遥と十六夜はくっついていた。
それはもう、本当に恋人同士かの様に!
俺が入り込む間なんてなくて、じゃなんであんな思わせ振りな態度を取ったんだって、あいつにも腹が立ってくる。
「まぁまぁ、機嫌直しなさんなってぇー」
「そうですよ、まだ振られた訳じゃないですし!」
「ほらほら、美少女三人に励まされてぶすっとしてる方がどうかしてるよ!」
で、そんな俺の機嫌を取るように笑う美咲と姉さんと純平の妹の三人。
場所は、俺の部屋である。
いつもなら煩いと文句を言ってくる兄さんも居ないため、無法地帯と化していた。
「……何しに来たんだよ、ホント……」
最近、どんどん俺のマイコレクションが無くなっていることから察するに、どうやらこいつらは頻繁に俺の部屋に出入りしているらしい。
「高校生の恋路を確認したくてさ~」
姉さんはそう言って机の上のスルメを口に入れた。
俺も一個貰おうと手を伸ばすと、パチンと手を叩かれた。
と、意外と情報通らしい純平の妹が、憤慨したように足をバタバタさせる。
勿論その手にはスルメ。
「まーったく、あの十六夜先輩とかいうやつ図に乗りやがって! って感じですね!
元気出してくださいね、徹先輩!」
「ヤンデレ攻めもいいけど、やっぱりアタシはツンデレ攻めを選ぶわね」
「そうですよね!! 只でさえ競争率の高い徹先輩といいムードだったのに!! あのまま行ってれば付き合えてたのに!! 遥先輩、急に心変わりなんですかね!?」
しれーっとした顔で納豆巻きを頬張る美咲の言葉に、純平の妹はさらに足をバタバタ。
「あーもう、こんなことになるなら、徹先輩さっさと告っちゃえばよかったんですよ!
もしくはお兄ちゃんと付き合うとか!」
俺は、さらに荒ぶるこいつを羽交い締めにする。
(家具でも壊されたたまったもんじゃないしな)
「はぁ!? 俺は純平なんかと付き合わねぇって!!」
「徹先輩のバカァーーっ! あんたがそんな鈍感だからいけないんですよ!? 私が秘密の課外授業してあげましょうか!?」
そんな俺達を見て、姉さんがアッハハと笑う。
それから、俺と純平の妹を引き剥がす。
「まーまー、落ち着きなされ。 というか、徹随分元気じゃないの」
「元気じゃねぇ!! ……どうしたらいいのか分かんないし」
「もっと強引に行けば、道は開けるよー。 こっちには切り札があるからさ」
やさぐれた俺に、姉さんは軽く決めポーズ。
美咲が、こう質問した。
「切り札ってなんですかー?」
「ひ・み・つ!」
姉さんはクスクス笑って、
「まぁ、万が一マズイことになっても私がどうにかするから。
強引にいきなさい、強引に!」
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