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バカみたいなことを。
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「じゃ、俺頑張るから!」
教室に入る前、俺は純平にそう宣言する。
純平は、
「いいから早く入りなって」
と俺の背中を押す。
教室に入ると、昨日に引き続き十六夜と遥が話し込んでいた。
で、俺が席に座っても完全に無視だ。
仲良さげに話している。
その様子をジッと観察する。
すると、十六夜がこっちに話を振ってきた。
「……どうしたの、近藤君。 睨み付けちゃって……嫉妬?」
「嫉妬じゃねぇ」
俺は続ける。
「急に出てきて恋人面しやがって、こいつの恋人はこの俺なんだよ。 分かるか?
人のものは盗っちゃいけないって教わんなかったのかよ」
「へぇ……君らはお友達じゃなかったの? 僕、君達が恋人だなんて知らなかったなぁー?
それに、僕らは前々からお付き合いしてたから……」
十六夜は、なに食わぬ顔で遥を引き寄せる。
なにか言い返そうかと思ったが、十六夜の言い分には隙がない。
確かに、こんなの俺の一人よがりかもしれない。
「……でも! 絶対俺らは恋人同士なんだ!! 誰がなんと言おうと!!」
俺は、駄々っ子のように地団駄を踏む。
自分でも格好悪いとは分かっているのだが、こいつが遥に近付くなんて許せない。
「こいつを守れんのは、俺だけだから」
ビシッと決めポーズを決め(そういえば、姉さんもこんなことしてたな)、高らかに宣言。
うわ、バカみたい。
顔が赤くなるが、ふと遥の方を見ると顔を輝かせていた。
お、効いてるのか?
が、それも一瞬のこと。
十六夜は、プーッと吹き出す。
「あはは、おっかしい。 なんでそうなるの? せめて理由くらい言いなよ。 ね?」
俺のことを見下すかのように。
「遥に手を出して、後悔するのは近藤君の方じゃない?」
「後悔なんてしない!」
反射的に、そう叫んでいた。
「そっちがどう動くのかは知らないけど、こっちには切り札がある……らしいから!」
「……妙なこと言うね?」
十六夜はクスクス笑っているだけだった。
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