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そこで意識が飛んでしまった。
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「……はぁ……」
とりあえずメイド服を脱いで、制服に着替えてから学校の外に出た。
さっきまで茜色に染まっていた空も、群青に染まっていた。
少しヒンヤリしている空気を深く吸い、目を閉じる。
目を開け、人気のない道を早足で駅まで急ぐ。
早く帰らないと、兄さんが心配する。
無駄に心配症の、あいつが……
綺麗な群青の空を見つめると、何故か背中がゾクゾクした。
荒い息で走り出し、もう少しで駅に着くという時。
「……っ!?」
いきなり腕を掴まれ、裏路地に引っ張り込まれた。
なにが起きたのか分からずにいると、頭に鈍い衝撃が走った。
視界にチカチカ星が飛び、頭からはなにか紅いものが伝っている。
そこで意識が飛んでしまった。
*
「ねぇ、遥」
「……なに……?」
僕はうつ向いたまま答える。
茜色の空が、もうすぐ群青に変わろうとしていた。
「遥、僕のこと好き?」
また、この質問。
首を横に振ると、聖次君は悲しむ。
それになにより、この悪魔はなにをしでかすか分からない。
もしかしたら、皆を傷つけるかもしれない。
──分かりきってるのにね。
今日は勝手な行動を取ってしまった。
誰も幸せにならない、酷な行動を。
本当は突き放さなきゃって、分かってるんだよ。
けど……ね?
聖次君の質問に対して、僕は首を縦に振る。
「好きにきまってる……」
その時、不意に口が布で塞がれる。
香ってくる甘い香りに、僕は地面に膝をつき目を閉じる。
そこで意識が飛んでしまった。
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