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私。
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『徹side』
頭が痛い。
痛い、堪えられない程痛い。
俺は今、どこにいるんだろう。
なにしてるんだろう、どうして体は動かないんだろう──。
よく分からない。
ぽたぽたと、水滴が頬を伝った。
うぅ、と声を漏らし、重たい瞼を上げる。
「……徹」
「えっ、姉さん!?」
俺が見たのは、大粒の涙を流す姉さん。
そんな姿を見るのは初めてで、声が裏返った。
全然状況がわからない。
周りを見回し、ハッとする。
俺、何故か病院にいる。
痛くてたまらない頭には、包帯が巻かれているようだ。
「……ゴメン、ちょっとね」
姉さんはすぐに涙を拭いてニッコリした。
いつもの姉さんだ。
「アンタさぁ、リンチに合ったんだよ。大丈夫?」
「リンチ!?」
「そーそー。 ……そうなんだよね」
え……っ、リンチとか聞いてねぇわ。
あぁ、そうか。
頭殴られたのはリンチだったのか……
「……どうして」
恨まれるようなこと、したか俺……
「……アンタが悪いんじゃないんだよ」
姉さんはふぅーっとため息をついた。
「……私、聖次のことよく知ってるの」
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