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守れないね。
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「……スゲェ暇だ……」
ベッドに横たわった俺は、ただ外を眺める。
さっきまでは賑やかなお見舞いが来ていてそれなりに楽しかったが、今はさっぱりだ。
もう無理。
暇過ぎて死にそう。
第一、頭打っただけで入院とか可笑しくねぇか。
生まれてこのかた入院を体験したことがないのでよくは分からないが。
誰でもいい、誰か来てくれないかな……
でも、もう夕方。
流石に来ないかな……
諦めて寝ようとすると、
「こんにちは」
そんな穏和そうな声がした。
「……い、十六夜……?」
ドアの前には、ニコニコ笑っている十六夜が立っていた。
……誰でもいいとは思ったけど、まさかこいつが来るとは……
「わぁ、ホントに入院してるんだー。 遥を守るとか大口叩いてたくせに」
「……なんの用だ」
さっき姉さんから聞いた話を思い出して、思わず目を逸らす。
皮肉にも言い返せない。
「……遥、学校来てないんだろ?」
「んー、まぁね」
「……お前、なにか知ってるんじゃないか?」
俺がそう問いかけると、十六夜は目を細めた。
その薄ら笑いを浮かべた口元が、ギュッと歪む。
「へぇ、お姉さんに聞いたの?」
「違う!」
強く否定してから、十六夜の方を見据える。
「恋人のお前が一番知ってるんじゃないかと思って」
「そうだね、僕が一番知ってる」
恋人、というのを目一杯強調して言うと、十六夜は当然のように頷く。
その言い方にムッとするが、俺が言い返す前に十六夜は続けた。
「僕だけが知ってるんだから」
「はぁぁ!?」
あはは、と笑って十六夜は俺にウインク。
妙に決まってるのがムカつく。
「じゃ、またね」
手を振られて、反射的に振り返した。
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