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手錠とスカート ⑤
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あおれから、クラスメイトはなにかと僕をからかうようになっていた。
『ホモ』『女男』『ブス』……本人達は軽い気持ちで言っているのだろうが、その言葉はグサグサと心に刺さる。
風の噂で、恋人だった子は何処かへ引っ越したと聞いた。
あの金髪でピアスホールの沢山あるあの子。
少し考えたらヤバイお方だと分かっただろうに、僕はなにをやっていたのだろうか。
恋人ごっこ? 遊ばれてたのかな?
いつの間にかクラスでは孤立していた。
寂しくてどうしようもない。
だから、部活のテニスに打ち込んでいた。
部活の皆は優しかった。
別にクラスで孤立していても部活がただ楽しかったから、学校に行く気になったし、気が沈むこともあまりなかった。
「……君、テニス上手だね~」
……けど、ある日。
サーブの自主練中に癖毛をふわふわ揺らした少年に声を掛けられた。
確か、他のクラスの十六夜っていう奴だ。
僕は軽く会釈をする。
「僕にも、教えてくれない? テニス」
自然と頷いていた。
なんというか……十六夜君はあの子に似てたんだ。
バカみたいだけれど、僕はまだあの子のことを好きだったんだ。
「ありがとう!」
そう言って満面の笑みを見せる十六夜君と僕は、いつの間にか親しくなっていた。
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