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手錠とスカート ⑥
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そんなある日、クラスに入るといつもより一層皆の視線がキツかった。
あれ、と疑問に思う間もなくビシャッという音と共に冷たいものが降り注ぐ。
「やーい、ホモーオカマー!」
「お前なんて転校しちゃえー!」
「バーカバーカ、ブース!」
今まで言葉だったものが、物理の攻撃となった。
一丸となり僕にくだらない罵倒をぶつけてきたクラスメイト達に、僕は思いきり一歩後ずさる。
その時の顔が愉快だったのかなんなのか知らないが、ドッとクラスに笑いが起こる。
……なにこれ、ハブられるよりもキツい。
羞恥心、悔しさ、やるせなさ。
顔が真っ赤になり、足が勝手に動き思わず走り出していた。
逃げるなんて格好悪い。
けれども、足は止まらなかった。
止まったのは、トンと誰かにぶつかってからだった。
しおらしく
「……ご、ごめんなさい」
なんて謝って、相手の顔も見ず走り出そうとすると、肩を掴まれて抱き寄せられる。
「濡れてるじゃん、平気?」
「……十六夜君?」
十六夜君は、優しくて一緒にいると楽しくて……僕は、十六夜君のことを好きだった。
そんな十六夜君に抱きしめられて、僕の心臓は高鳴る。
「誰かにやられたの?」
「うん……」
「へぇ、じゃあ……僕と一緒に来ない?」
そう言って僕の手を引いた、アイツの口元が歪んだことにも気付かずに。
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