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手錠とスカート ⑩
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やはり児嶋とくっついているのは賢明な考えだった。
じきに皆は僕なんかに興味が無くなったのか、イジメもなくなっていった。
児嶋は快活で、やっぱりいい奴だ。
児嶋といると、ついついあの人のことを忘れがちになってしまう。
実際今日も、あの人のことなんて思いだしもしなかった──。
*
「……あれ」
部活に出てから教室に入ると、児嶋の席が空いていた。
あいつ、いつも早くから居るのに……
少し違和感を感じつつ、自分の席に座る。
すぐにセン公が入ってきて、朝のHRが始まる。
ボーッと窓の外を眺めていると、セン公の話からどうやら児嶋は無断欠席らしいと分かってきた。
心配だ。
……放課後、あいつの家にでも行くか?
HRが終わると、女子達のヒソヒソ声が耳に入ってくる。
「……聞いたー? 児嶋さぁ、例の坊っちゃんの差し金でリンチにあったらしいよー」
不意に出てきた児嶋というワードに思わず耳を澄ます。
「えー、ホント!? もぉ、坊っちゃん変な圧力かけてくるしウザイー!」
「だってさぁ、岩井君の足の怪我も爽やか苛めてたからでしょ?」
「うっわぁ、サイテー! 爽やか追い詰めるように言ったの坊っちゃんじゃん! 自分の姉さん売りに出すしさぁ……」
「……あ、もしかして児嶋爽やかと仲良くしてたからリンチにあったんじゃないの??」
「えーっ、じゃあウチ絶対爽やかと目ぇ合わせなーい!!」
その会話の意味は、よく分からなかったがそこに出てくる『坊っちゃん』と『爽やか』という人物に腹が立つ。
どこの誰なんだ、そいつら。
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