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再び捕らえられた
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「はぁ……」
回想を終えた僕は、冷たい壁に寄りかかりため息をついた。
本当なら髪をかきむしりたい所だけど、手枷がその邪魔をする。
あいつから逃げてきたというのに、また捕まってしまった。
しかも、今回は部屋に窓もないし服は女物。
いつかこうなるとは思っていたけれど、きっかけもなしにこんなことになるのか普通……?
……無事かな、徹──。
僕がちょっと仲良くしただけで児島のことを襲うような奴なのだ、あいつは。
色んな不安に押し潰されそうになり、口からはため息が連発。
やっぱり、メガネがないともっともっと気弱になってしまう。
いつの間にか精神安定剤と化しているような僕の伊達メガネ……
『やーい、ホモブース』
……ダメだ、なに考えても嫌なことしか思い浮かばない。
その時、重厚な音を立てて部屋の扉が開いた。
パァーッと音が聞こえるような笑みを溢し、聖次君が顔を覗かせる。
「わーっ、洋服似合ってる!」
「…………」
「ねぇ、なんか言ってって」
……なにか言えと言われましても。
聖次君は僕の隣に腰掛け、しつこい程僕に話しかけてくる。
なにか言えと言われたので、なんか言ってみよう。
「徹になにもしてない……よね……」
「うん、なにもしてないよ」
一旦、ふぅと息をつく。
良かった、無事なんだ……
「……嬉しそうでムカつくんだけど。
でもあの人、リンチにあったらしいよ」
「……え……?」
そんな、まさかこいつの差し金……?
「僕も、警察につきだされるのは嫌でねぇ……」
……そんな、あり得ない。
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