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勘弁しておくれよ
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「……純平……アタシ……死ぬかも……」
絞り出すように言った後、カーペットの上で寝転んだ美咲は目を閉じる。
その小ぢんまりした頬をベシベシ叩き、強制的に目を開けさせる。
「ふざけないでねー、君の冗談に付き合ってる暇はありませーん」
そんな俺達を見て、英さんと悠さんが肩を竦めた。
流石姉弟、動きがシンクロしている。
何故かひょこひょこ着いてきた佳子はというと、ただ黙々と菓子を消化するのに努めていた。
いや……落ち着かないからか……?
徹のお見舞いに行った翌日、テスト期間中で早帰りの俺達は徹の家に集まっていた。
「……私は来てくれなんて一言も言ってないし、あんた達にはなんも知る権利なんてないんだけど」
が、悠さんは不満そうに携帯電話をいじっている。
そう、俺らに集まるように命じたのはそっぽ向いてる英さんだ。
……来たはいいものの、なんもやることないんだけどね。
「悠さん、めちゃくちゃ怒ってるじゃないのよ!! 話が違うわ!!」
耐えられなくなった美咲は英さんの背中をバシバシ叩く。
英さんが助けを求めるようにこっちを見ているので、とりあえずその腕を捻りあげてから英さんの隣に移動する。
(……別に下心とかないから、絶対)
美咲が肩をさすって睨んできたが、無視だ。
「……可憐な乙女に暴行するなんてサイテー」
「乙女ってどこにいるの?」
「はぁぁぁぁ!?」
「騒がしい、帰れ」
数十分後、悠さんはため息混じりの声で言い争いを始めた俺と美咲を睨み付けた。
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